2009年12月17日木曜日

人間中心設計特論 第12回 コンセント見学

今週は2日続けての人間中心設計特論です。
今日はデザイン事務所見学第3弾で、コンセントに行ってきました。

事務所は代々木にあり、内装はまるでバーみたいな雰囲気でした。
代表の長谷川さんは以前に授業内で紹介された「インフォメーション・アーキテクチャー100」の著者です。

コンセントはwebデザインをやっている事務所ですが、ただwebを作るだけでなく、企業やブランドのメッセージを表現することに重きをおいており、そのプロセスにも力を入れています。




まず、長谷川さんのお話がありました。
内容は「パタン・ランゲージ」
パタン・ランゲージとは、建築家のクリストファ・アレグザンダーの考えた手法です。
建築のプロジェクトを進めていく上で、知識のないクライアントとコミュニケーションをとる際に建築家なら分かるが知識のない人には通じない言語を分解し、わかりやすくする必要があると感じ、ブラックボックスを透明化するように建築のパタンを言語しました。
参考:「デザイン言語基礎論10回 パタン・ランゲージ」

その後、パタン・ラゲージを生み出すワークショップを行いました。
学生とコンセントの方がグループになり、自分たちなりのパタン・ランゲージを考えました。
僕のグループは「ざわつかせる自己紹介のパタン・ランゲージ」というテーマで提案を行いました。



僕たちのグループは、グループで集まって自己紹介をした際に、自己紹介にパタンがありそうだということで、自己紹介というテーマで始めました。
自己紹介に関するキーワードをあげてながめてみると、シーンや場によって分類できることに気づきました。
面接、転校、合コンなど場やシーン毎に自己紹介の流れをあげてみたところ、ただ自己紹介のパタンを考えるだけでなく、インパクトに残る自己紹介ということで「ざわつかせる自己紹介のパタン」というテーマに決めました。

次に「ざわつかせるパタン」を考えることにしました。
ざわつくとは、ある意味笑いがある。
ということで、そこではギャップが存在するのではという仮説のもとで進めていきました。

外見と内面や先天的と後天的などにカテゴライズし、ギャップの生まれるパタンを作りました。







偶然にも中間発表のテーマと今回のワークショップのキーワードの「ギャップ」がかぶりました。
なんか僕のオリジナリティは「ギャップ」という線が見え始めてきました。

2009年12月16日水曜日

人間中心設計特論 第11回 中間発表

今回は「各自のオリジナリティのあるデザインアプローチや手法」の中間発表でした。

中間発表の課題は、
1.これまでのデザインの論理(アプローチ)をまとめる(BLOG)
2.これまでのデザインの論理(アプローチ)の検討すべき点をまとめる
3.その課題に対する、自分なりの論理(アプローチ)の提案まとめる
でした。

ぼくの提案は「ギャップ・デザイン手法」です。



今まで学んだ手法からメッセージを魅力的に伝えるにはどうすれば良いかと考え、
ギャップに行き着きました。



ギャップは意外性を生み出し、それが魅力やメッセージの強調につながるのではと考えました。そこで、手法として意識的にギャップを作り出すことを目指しました。
実際にエコをテーマとしたコンペで試してみました。


まずは、エコに関するキーワードを上げ、「エコ」と「アンチ・エコ」にグルーピングしました。



キーワードをマッピングしていきました。
横軸をエコとアンチ・エコ、縦軸をポジティブとネガティブとしました。



結果として、クーラーという「アンチ・エコでネガティブなもの」と風鈴という「エコでポジティブなもの」と組み合わせることでギャップのあるものができるのではと考えました。



提案したのは「ne-on」という風の力で発電する照明です。
風鈴のように風に揺られると音が鳴り、さらに光ることで視覚と聴覚で風を感じることができます。反省点としては、ギャップの振り幅が小さくギャップが弱かったと感じています。
ソニーに対して提案する時はもっと思い切った組み合わせをやってみたいと思います。




講評としては、おもしろいものができそうとポジティブな意見をもらいました。

2009年12月7日月曜日

RTD:わたしのモチモノ・わたしのキモチ -百鬼夜行絵巻から-

ワークショップで上越に行ってきました。
場所は上越教育大学です。

「わたしのモチモノ・わたしのキモチ -百鬼夜行絵巻から-」という、知人の西山さん、山本みどりさん(PICKLESという名で活動)が企画したワークショップです。

内容は、「日常の道具」と「百鬼夜行絵巻」を素材として、自分のモチモノを妖怪化して表現するワークショップです。百鬼夜行絵巻に登場する妖怪たちには、日常の道具をモチーフにしたものがいます。これは、100 年以上経過した道具に魂がやどり「付喪神(つくもがみ)」となったものです。

このワークショップは授業の一環で行われたもので、時間は90分でした。
実は、90分でRTDやるのは今回が初めてということで、こちらとしてはかなり実験的な意味合いがありました。
また、ワークショップの企画自体も当日まで詳細が決まっておらず、バタバタしていました。

RTDの準備としては、完全にフォーマットを作成してそこに当てはめていくことを企画していました。PICKLESのお二人とは2回目の活動になり、前回のワークショップと構成は変わらなかったので、前回の紙面を参考にし、フォーマットを準備していきました。


ワークショップ本番、参加者が180人近くということで、かなりやりずらさはありましたが、なんとか終了時に紙面をプリントし、各グループ(18グループ)に配布することができました。
参加者の反応は、時間内に活動の記録が見られたことに対する驚きや、自分たちが写真に写っていることへの喜びといったものが見られました。

しかし課題として、今回の紙面は思い出としての要素が強く、知識や参加者の活動の意味付けといった部分が組み込めなかったことが悔やまれます。
90分という短時間でどこまでできるかという挑戦にたいして、配布まではできるが、クオリティや中身という点に課題が残ったと言えます。

配布した新聞

2009年12月5日土曜日

あるプロジェクト

最近原田研のブログにてあるプロジェクトの報告を行っています。
興味のある方はぜひ見てみてください。

青い炎


紹介が遅れましたが、ブログのタイトルデザインを変更しました。
それに伴って、自分のロゴマークを作りました。


コンセプトは「冷静に情熱を燃やす」です。
ちょっとクサイですが、青い炎で自分の理想を表現しました。
ちなみに、このロゴの中にはRとSが隠れています。
大学でのあだ名である「リッキー」と地元でのあだ名である「しんた」の両方に対応できるようになっています。

このマークをみたら等々力だと覚えてもらえるよう、どんどん使っていきます!

ne-on

久々に作品を紹介します。
ついさっきまでやっていたコンペの作品です。
eco&artというテーマでした。

「ne-on 風が生み出す光と音」
風が吹き、揺れることで発電し、光る。
同時に風鈴のように金属がガラスをたたき、心地よい音が鳴る。
風が強ければ光も音も強くなり、弱ければ光も音も弱くなる。
風を感じることで、自然を感じ、エコへの意識を高める。


久しぶりにプロダクトを作りましたが、やっぱりモノ作りって楽しいと思えました。
結果がでるのにはしばらくかかりますが、ちょっと期待しています。


2009年12月3日木曜日

人間中心設計特論 第10回 GKテック


今回はGKテックに見学に行ってきました。

GKテックのデザインしたものは国立科学博物館や日本科学未来館の展示などの「科学のデザイン」が多く、触れる地球や科学館のジオ・コスモス、インターネットのしくみの展示など、見たことあるものばかりでした。

事務所に工房があり、作りながら考えるという雰囲気がありました。

お話の中で、印象に残った言葉として、「生き物としての道具」という言葉がありました。
現状では道具は人間の奴隷として作られているが、本来は人間のパートナーであるべきだという考えです。
現在僕たちは大学で、人間を中心にデザインを考えていますが、モノの気持ちというかモノのことをもう少し考えてみるべきかもしれないと感じました。

踏んだところが光る

2009年12月1日火曜日

なんとなく

研究の一環!?としてなんとなくかっこいい写真を撮ってみました。



2009年11月29日日曜日

来館者たちがつくるもうひとつの未来館



11月28・29日に本科学未来館で行われてワークショップにRTDとして参加してきました。
「Zusieワークショップ:科学の体験を描いてみよう!」というタイトルのワークショップでブログのタイトルがテーマです。

写真を撮る土屋君と澤くん(原田研3年)


今回僕はカメラマンとしての参加で、久々にワークショップで写真を撮りました。
いつもは4年の土屋くんが撮影していますが、今回自分の撮った写真を見ると土屋くんの撮る写真と変わらないという印象でした。
それは、普段からどういう写真を撮ればできごとを伝えられるかという議論を2人で行い、実践してきた結果一つの共通した意識が生まれたからだと思います。
研究としてこの共通の意識を言語化できれば、RTDの写真についての一つの指標が示せるのではと考えています。


主催者である須永先生のお話:
表現者は不安があるから前にすすめる。
不安が目の前に来たら喜ぶべきである。

2009年11月26日木曜日

空想SCHOOL 中間発表


今回は空想SCHOOLの中間発表ということで、前回のワークショップに引き続きRTDでお手伝い。
今回のRTDのポイントは「講評をどう記録し、共有するか」でした。
中間発表は、空想生活上にあげたアイデアを発表し、参加者にコメントをもらうことで共有化をはかろうという取り組みだったので、空想生活上にあげられたアイデアをプリントして壁に貼り出し、そこにポストイットでコメントを書き込んでいきました。

休憩時間に記録を見る参加者たち


最後にコメントを全部並べてみる


中間発表終了後に新聞を作成。


反省として、コメントの記録のレベルをもっと詳しくできるところまでいかないと意味のあるものにならないと感じました。
しかし、後日他の授業でもRTDをやってほしいという声を聞くことができました。
やはりこういう声はうれしいですね。

ポートフォリオの極意

11月25日にエプソン、26日にパナソニックが企業説明に来てくれました。

そこで、魅力的なポートフォリオの作り方を教えていただいたのまとめておきます。

・どう印象に残すか
はじめの2,3ページで目を引かなければ最後まで見てもらえない。
最初のページに一番自信のあるものをもってくる

・プロセスを見せる
最近はアウトプットに差がなくなってきたので、スケッチなどどのようにアイデアを膨らませたかを見たいらしい。

・自分を売り込む相手は誰かを考える
相手によって内容を変える

・自分の能力、できることをアピールする
着想力、発想力、造形力、アイデア力、スケッチ力、行動力、プレゼン力

・課題テーマがあればそこに力を注ぐ

2009年11月25日水曜日

人間中心設計特論 第9回 構造

今週は「構造」の話しです。

◉構造(アーキテクチャー)
建築:構造+意匠を考える
デザイン:意匠は考えるが、あまり構造については考えられてこなかった。

構造は、「人の構造」と「モノの構造」があり、デザインはこの2つの構造の関係をどううまく成り立たせるかが課題。
また構造にはコンテクストが重要で、コンテクストにも「人のコンテクスト」と「モノのコンテクスト」がある。


構造の例.
◉情報アーキテクチャー
=理論的なデザインアプローチ

インタフェースやプロダクトやポスターといった普段僕らが目にしているモノは、氷山の一角でしかなく、その下には多くの情報がある。

情報アーキテクチャーのプロセス:
・デザイン情報を知る:ユーザー、コンテンツ、コンテクストを知る
・デザインコンセプト
・情報アーキテクチャー:サイトストラクチャ、ナビゲーション、ラベルを定義
・画面設計


◉構造化コンセプト
・対象ユーザーの確認と目標の設定
・要素に分解する
・要素のプライオリティをつける
・要素をさらに分解する
・分解した要素に重みを付ける
・各要素のアイデアを検討する
・アイデアを総合化


参考文献:「Information Architectar 100」


◉中間発表に向けた確認
「人の手法をまねれば、アウトプットはその人っぽくなる。
オリジナリティを出すには、自分の手法を見つけるしかない。」

2009年11月20日金曜日

ラミー・サファリ



最近気に入っているボールペンを紹介します。
その名も「ラミー・サファリ」。
昔からの商品で、知っている人も多いかと思います。

前から欲しいと思っていたのですが、3000円くらいするのでなかなか手がでなかったのですが、思い切って買ってしまいました。

表面の質感と持ったときの感触がなんとも言えない味わいです。
こういう長く愛される商品はやはりいいものですね。

2009年11月19日木曜日

人間中心設計特論 第8回 Zib見学


今週の授業はデザイン事務所見学ということで、Ziba Tokyoに行ってきました。
場所は外苑前ということで、いかにもデザイン事務所のありそうな場所という雰囲気の中にありました。

今回は以前にも学校で講演を行っていただいた代表の平田さんがお話をしてくださいました。
◉新しい経験のデザイン
これからのデザインは、ユーザーにどのような経験をさせることができるかがテーマになる。
ブランドは、
・entertaiment(エンターテイメント)
education(教育)
・inspire(影響)
・involve(脱日常)
この4つの要素(Exprience Hearalcy)をどのようなバランスでみせていくである。

ex.)
・UMPQUA Bank
客の経験を調査し、どのような良い経験をできるようにするかを考えた。
必然であり、正のトラップをしかけた。

「どのような経験をさせるか」ということで言うと、プレゼンもデザイン!
限られた時間で、インパクトを残し、メッセージをしっかりと受け取ってもらう工夫をする。


◉ワークショップ
講義の他に、ワークショップをやってもらいました。
テーマは「平田さん外苑前駅からZibaまでの地図を作る」でした。
ここで、ポイントは「平田さんに」ということ。
ターゲットがどのような人なのかをよく考えることが重要でした。
平田さんであったら、老眼で小さい文字や細い線はNGであり、おもしろいものを求めていたので、その要求に答えないといけませんでした。
また、時間配分も重要なポイントになっていました。

結果は全員まだまだターゲットのことを考えられていませんでした…。
またアドバイスとして、スケッチはペンで描くこと!
緊張感が生まれ、うまくなるそうです。

う〜ん、やはりデザイナーにとってオリジナリティーというのは重要だと感じました。
山崎先生の授業ではよくオリジナリティーというワードが出てきますが、今まで授業で取り上げられた人たちは全員強烈なオリジナリティーを持っていました。
平田さんも強烈でした!

自分のオリジナリティーは…。
早く確立したいですね。

「PROTOTYPE03」&「THE OUTLINE」


Zibaへ行くまで時間があったので、展示会に行ってきました。

まずは、 東京ミッドタウンデザインハブでの「PROTOTYPE03」に。
プロダクト、インテリア、建築などでさまざまな分野で活躍する若手デザイナーのプロトタイプの展示が行われていました。
プロトタイプということで、スケッチや寸法、プロセスの写真など作品が作られていく過程が見えて楽しかったです。やっぱり、今は「プロセス」がキーワードですかね!

続いて、21_21 DESIGN SIGHTで行われている「THE OUTLINE〜見えない輪郭展〜」に。
深澤直人さんの作品や深澤さんの作品を藤井保さんが撮影した写真が展示されていました。
深澤さん曰く、「ものには背景があって、そういう目で見てみるとアウトラインが見えてくる」というような内容の説明がありましたが、正直よく分かりませんでした。
しかし、一つだけわかったことが。
グラフィックでもプロダクトでも「コンテクスト」が重要ということですかね。

六本木はそろそろクリスマスっていう雰囲気でした。

2009年11月14日土曜日

靖国神社をチャート化する

Infographics Workshop 2
「靖国神社をチャート化する」
何かと話題になるにもかかわらず訪れたことのない人も多い靖国神社。
一般の人に理解してもらうためのには、自分の主義主張は横に置き、まずは中立な立場で「見る、知る、理解する」ことが求められます。
チャートの可視化で「ほかの人に理解してもらう」ためのアプローチを考えます。

TUBE GRAPHICS木村さんが主催されたワークショップに参加してきました。
参加といっても、今回はRTDではなく参加者として。
しかも、山崎研の松尾さんを中心にRTDを行うということで、ほとんど初めてと言っていいほど初めてRTDをやられるという貴重な体験ができました。

靖国神社というちょっと触れずらいテーマを初めて会った人と意見を交わし、カタチにする。
これは言葉で言うより何倍も難しい作業でした。
今日の体験からディスカッションのとき、やはり言葉だけでなくアイデアをすぐカタチ(絵)にしていくことの重要性を実感しました。

また初めてRTD をやられて、やっぱりRTDって必要だ!という熱い思いさせられました。


最後の打ち上げで、木村さんと長野オリンピックのパンフレットについてのお話をしました。
自分が小学生の時に見ていたものを作った人とお話をする…。
人生何があるかわからない。


靖国神社へのフィールドワーク

RTDされ中

僕らのグループの作品
「先祖崇拝の上にある靖国神社の機能・役割」

2009年11月11日水曜日

人間中心設計特論 第7回 エドワード・タフテ

今週はエドワード・タフテ(Edward Tufte)さんのお話です。
エール大の大学院でinformation designを教えてましたが、今は引退され、執筆、講習活動を行っているそうです。

このタフテさんのテーマは「情報をどのように伝えるべきか」です。
今回はタフテさんの執筆した「Envisioning Information」という本に書かれている内容を山崎先生が話してくれました。


◉Envisioning Information=情報を協調する
遠くから見てパッとわかる情報の協調(=情報のプライオリティ)が必要になる。





◉Escaping Flat
・Micro/Macro Reading
日本地図と津田沼の詳細地図のように全体と部分の関係にあるモノの"関係"がデザインされていないと見方が分からず混乱してしまいます。



・Layering and Separation
情報を重ねて見せることで、情報が豊かになる。
しかし、一歩間違うと複雑に見えてしまう。

・Small Multiples=比較
一つだとわからない情報もたくさん並べることで、比較でき、情報が理解できる。
例)ユニクロの広告


・Collor and Information
色を加えることで、伝える情報を加えることができる。

・Narratives of Space and Time
小さいスペースに小さな情報をいれることで伝わる?

今日の内容は自分の修士研究に活用できる部分が多々ありました。
特に、Micro/Macro Readingは僕の研究において、できごとの全体と部分の関係をどのようにデザインしていくかという課題に当てはまります。

部分が全体を構成していて、その全体が部分への導入になるのかな…。