2009年6月29日月曜日

デザイン学会春期大会09 3日目

今日は、デザイン学会の最終日でした。

今日は多摩美関係と山崎研関係の発表が集中していて、全部を聞くことはできませんでしたが、多くの発表を聞くことができました。
山崎研の此川さんと柳井さんの発表の様子


原田先生の発表の様子
ドキュメンテーションウォール(仮)と呼ばれるワークショプなどの学びの場において、その場の出来事を描いていく活動についての発表。できあがるとその日の活動の様子をふり返ることができることを目的としている。
質疑では、
「コスト(労力)がかかりすぎるのでは?」
「研究の目的とのズレがあるのでは?」
といった質問がありました。


午前中のプログラム終了後はポスターセッションがあり、僕らは前日に発表していたので今日は観覧する気でいたのですが、会場には僕らのポスターが置いてあり急遽本日も発表することになりました。

2日間の感想ですが、ポスター発表は個別に意見が聞けるので今後の研究への発展がさせやすいに思えました。


口頭発表終了後、多摩美の須永先生と敦賀さんによる「新たな社会づくりのためのデザイン」というテーマのオーガナイズドセッションが行われ、僕はドキュメンテーションを行いました。
オーガナイズドセッションの様子

原田先生が描いたドキュメンテーションウォール
今日のセッションの内容や参加者の感想が描かれている。


今回初めて学会に参加し、自分の研究の進め方やゴールが少し見えた気がしました。
また、自分と同じようなテーマで研究を行っている人が多くいることにも気付けました。
来年は、おそらく口頭発表になると思いますが、堂々としていたいですね。


*今日もマーボーと会えました。相変わらずです。

2009年6月27日土曜日

デザイン学会春期大会09 2日目

デザイン学会2日目の今日は、自分のパネル発表や情報デザインの口頭発表を中心に聞いて回りました。

まず自分のパネル発表ですが、1時間という短い時間ではありましたが、絶え間なく多くの人に発表を聞いていただくことができました。その中で得られた意見を書いておきます。
・「こういう表現をしたら、こういう効果がある」という技術を一般化したらどうか。
・授業の1年目は大変だが、2年目からはある程度記録の形をフォーマット化できたら継続していけそう。
・被験者への質問は、冊子の目的が違うので、授業を受けた人には「理解できるか」で良いが、受けなかった人にはまた違った質問で良かったのではないか。
・コンテンツ評価の手法を確立できたらさまざまなところで応用できそう。
・冊子が広報の役割にもなっているのがいい。

また、リアルタイムドキュメンテーション(RTD)そのものについて
・同時多発的に出来事が起こるワークショップや授業では、紙媒体は全体を伝えるのに長け、映像は断片的に出来事を伝えるのに長けているというそれぞれの長所をうまく活用できればさらに良い。

という意見をいただきました。

自分でも気付いてはいたポイントを改めて気付かされた意見や、新たに気付かされた意見をいただけました。今後の研究にいかせそうです。

発表終了後、昼食を食べに学食に行ったら佐藤先生が「プロダクトデザインの教科書」を販売していました。改めて購入しようかなと。

午後からは口頭発表を聞いて回りました。聞いた発表は以下通りで、メモも。

「コミュニティ・カレッジの実践から見出した表現活動の枠組み」(永井先生)
・目的:生活を楽しむための表現活動をサポートする
・デザイナーがプログラムを用意してその通り進めるのではなく、参加者とデザイナーが表現活動を行いながらプログラムを決める。
・持ち寄ったモノを題材に参加者全員で表現方法を考える=表現のアイデアをシェアする。


「リフレクション可視化サイトによる学びの再生」(寺沢先生)
・共同注意=ジョイント・アテンションという概念によるふり返りの促進
・webによるリフレクションを行うことで、他者の視点を得やすい、学習者同士の交流というメリットがある。またリフレクションの多様化により様々なリフレクションの要素を提供できる。さらに、参加者は見られるという意識による緊張感や他者から客観的な評価を得られる。
・動的なリフレクションにより、「学びの再生」が起こる。
・リフレクションを繰り返し行うことで、学びが深まる。

「デザイナーとエンジニアの協調による情報デザインプロセス」(堀江さん)
・「ストーリー」はデザイナーとエンジニアの共通のものさしになる。

「ヴィジュアル言語Viscuitを利用した連続ワークショップ」
・連続したワークショップを行うことでコミュニケーションをとりやすくなり、活発な活動となる。

「実働モデル制作のためのプロトタイピング手法の開発と実践」
①ブレインストーム
②初期段階プロトタイピング(粘度、スタイロフォーム)
③ワーキングプロトタイピング(ハードウェアの実装、ソフトウェアの実装、外装の加工)


口頭発表後、情報デザイン研究部会に参加しました。
名前からするとまじめな会議という感じですが、多摩美チームやはこだて未来大の寺沢先生など何度か顔を合わしたことのある人ばかりで、いつもの楽しい会議となりました。
この場で、9月に函館で集まることが決まり、その時に、僕がはこだて未来大の学生にドキュメンテーションのレクチャーを行うことになりそうです。人に教えるほど自分のものになっていない気がするのですが…。


部会で本日のプログラムは終了し、ホテルに戻りました。
夜は、情報デザイン部会を中心としたメンバーでご飯を食べにいきました。

店は「伍味酉」という居酒屋。
名古屋名物の手羽先、きしめん、名古屋コーチンなどをいただきました。
こういう場に行くといつも思うことですが、できる人はONとOFFの切り替えがうまいです。


明日は、多摩美チームと山崎研の院生の口頭発表やオーガナイズドセッションの記録などイベントが盛りだくさんです。

2009年6月26日金曜日

デザイン学会春期大会09 1日目

今日からデザイン学会春期大会が始まりました。

というわけで、新幹線で名古屋へと向かいました。
東海道新幹線は高校の修学旅行以来ということで、ゆっくり堪能したかったのですが…
朝寝坊して、乗る予定の新幹線に乗り遅れてしまいバタバタしているうちに名古屋に着いてしまいました。

会場は名古屋市立大学芸術学部です。
名古屋駅からバスで30分ほどの微妙な距離の場所にあります。


12:30に会場に到着し、無事受付を済ませ、総会に参加してみました。
っが、総会は予算の話など場違いな感じでした…。


気を取り直して、オーガナイズドセッション(a)に参加しました。
テーマは「ロボットと暮らす明日」ということで、
トヨタのWingletをデザインした方やジャイロウォークというロボットアドベンチャー企業の社長、瀬名さんという作家の方など多方面の方による発表が行われました。

印象に残っている話として、瀬名さんが言われていた「コミュニケーション」と「生命」というよく使われるこの2つの言葉に明確な定義がないことが問題になっているということでした。それにより、「コミュニケーション」と「生命」がごちゃごちゃに使われていると。そのことで、ロボットの定義も混乱しているのではないかということでした。

ここでこの日のプログラムは終了。
名古屋に戻り、ホテルへと向かいました。

ちなみに、ホテルは「駅前モンブラン」といういかにも怪しい名前でしたが、中身はまじめなホテルでした。

その後、山崎研のM2と合流し、栄へ向かいました。
目的は…そう、大学時代の友人マーボーに会うためです。
マーボーは、名古屋でwebデザイン事務所に就職し、ばりばり働いています。


久しぶりに会いましたが、全然変わっていなくてホッとしました。
相変わらずゲスな野郎です。
修士の研究で使おうと思っている写真整理アプリの改良の話しもでき、楽しい時間を過ごせました。

しかし、栄の錦三丁目という街はすごい街でした。
1メートルおきにいろいろな店に誘われます。
津田沼のマッサージなんて比になりません。
今度名古屋に来たらマーボーのお金で、行こうと思います。

明日は、自分のパネル発表があります。
なんとか、凌いでこようと思います。

2009年6月25日木曜日

公開講座ポスター





上野先生に頼まれ、2009公開講座のポスターとチラシを作りました。

千葉工大のカラーというのは明確には決まっていませんが、学外展や学校のパンフレットから、やはり黒ということで、背景は黒にしました。

今日、印刷会社から試作が届き、チェックを行いました。
なんか印刷会社の人と打ち合わせしてるとき、プロの気分を味あわせていただきました。

ポスターとチラシは7月の頭には刷り上がり、駅に貼られる予定です。

「はかる」楽しみ

最近新たな武器を手に入れました。
戦闘力をはかれる例のやつです。
そう、スカウター!

iPhoneのアプリです。

みんなの戦闘力をはかっていますが、基準がいまいちわかりません…。
ベジータのコメントみたいのがいちいち入っています。

2009年6月24日水曜日

ガガガSPライブ


今日は千葉ルックでのガガガSPのライブに行ってきました。
ガガガは高校のとき大好きだったバンドで、僕の青春ですね。

行ったメンバーは、五代、スズ、土屋くん、こやっちゃんとスズの高校の友達です。

今回のライブは新しいアルバムを中心にやるかと思いきや、
僕が高校のときに聴いていた曲ばかりで、かなりテンションが上がりました。

ボーカルのコザック前田さんが繰り返し言っていた
「20歳代は青春の準備段階、本当の青春は30からだよ!!!」
なんか響く言葉でした。

30が楽しみです。

2009年6月23日火曜日

学会発表パネル


6月26日から始まるデザイン学会でパネル発表をします。
タイトルは「プロセスの視覚化に対する評価実験」
学部の卒業研究で行ったRTD研究の一部、視覚デザイン論及び演習2の授業のできごとやプロセスまとめた冊子を作成しました。その冊子は、参加者のふり返りの道具と、来年度の受講生など授業にいなかった人へのできごとの伝達の道具という2つの役割がありました。そこで、冊子が役割を果たしているかを評価したのがこの研究です。

いつもパネルはギリギリに出来上がるので、今回は余裕を持って完成させようと思っていましたが、案の定今回もギリギリ…。
いろいろな人に迷惑をかけました。

でもなんとかギリギリ間に合い、今日プリントにまわしました。

ちなみに今回の学会は名古屋ということで、久しぶりにマーボーに会ってきます!
久々にゲスな話ができそうです。

2009年6月9日火曜日

情報デザイン技術特論 -Affection Design-

前回のデザイン言語のプロセスモデルの補足として、
・人とモノの対話という目に見えないものを可視化する
・ユーザとデザイナーのヴィジョンを共有する。最近ではワークショップなどが利用される。
・企業のブランディングにも利用されている

実例:オランダ人とのモジュール式ライトのプロジェクトのドキュメンテーション(2004)
1.ライトの関する知識をブレインストーミングする
2.体系化してまとめる
3.分析する
4.スケッチで会話する(スケッチを記録しておくことで、思考のプロセスを可視化する)
5.スケッチをつなげ、ストーリーを作る(壁に貼っていく)
6.キーワードとイメージを視覚化する
7.スケッチの中にあるエレメントを抽出する
8.マテリアルと抽出したエレメントをつなげる
9.アイデアスケッチ
こうして、モジュール式の有機ライトが生まれる

このプロジェクトのプロセスにおいて重要だったのは、「メンバーでヴィジョンを共有して次のプロセスへと進んだ」ということです。メンバーでヴィジョンを共有することで、最後までブレることなくプロジェクトを進めることができます。
また、ヴィジョンの共有においては、自分たちのプロセスを視覚化し残していくこと(ドキュメンテーション)が重要な役割を担っています。


今日の姫ちゃんとエベロトの60年代の発表で出た【Evenments】というキーワードがとても気になりました。意味としては、「世界的なイベント」です。
60年代は、人々が夢を抱き、欲求がシンプルで力強く、有機的なモノへの探究心のあった時代です。

2009年6月3日水曜日

情報デザイン技術特論 −デザイン言語のデザインプロセス−

今回の授業は、デザイン言語をユーザーへと伝えるプロセスと課題になっていたTimeles Designの発表でした。

まず、たびたびこの授業で出てくる「デザイン言語」の再確認です。
デザイン言語とは、モノの持っている「コンテクスト」=文脈というブラックボックスを言語化することです。

普段、ぼくたちはペルソナを用いてデザインを行っていますが、ユーザを設定してもそのユーザの背景にある文脈を読みとらないとユーザを満足させることはできません。
そこで、デザイン言語を読み取るプロセスがありますが、ここで注意する点はデザイナーは作り手であると同時にユーザでもあるということです。日頃から、ユーザが何を欲しているかを知るために、自分もユーザの一人であるという意識を持ってモノを見る必要があるということです。



続いて発表の内容です。

今回の課題は、「2000年より以前のもので現在も残るものを探し、過去、現在、未来の観点でデザイン言語の進化を解析する。」です。
ぼくのグループは、60年代に生まれたものということで、イギリスの車である「mini」を選びました。

写真は、miniの年表をまとめたものです。
miniは1959年イギリスで誕生しました。背景として、1956年「スエズ動乱」が起き、コンパクトなファミリーカーが求められました。それに答える形で、世界で初めてエンジンを横向きに配置し、さらにタイヤを車体の4隅に配置することで車内空間を広げた画期的な車となりました。



そこから約40年間miniの権利はローバーなど様々な会社を転々としましたが、miniは世界的に人気があったため、デザインは変わることなく2000年まで製造されました。



その要因として、1960年から1970年前半のカルチャーとの強い結びつきがありました。この間ビートルズのメンバーがminiに乗ってメディアに登場しました。初期のビートルズはもっと激しいロックを歌うグループでしたが、miniに乗り出した頃から僕たちがよく知るスタイルになりました。ここからは、ぼくたちの推測ですが、ビートルズがスタイルを変えたのは当時のマネージャーだったので、イギリスを代表するかわいい車というminiのイメージを利用したイメージ戦略だったのではないかと思います。
また、1969年に公開された「ミニミニ大作戦(The Italian Job)」というイギリスの映画が世界的に大ヒットしたこともminiの人気を支えた要因の一つです。

そして、ぼくらが考えるminiのデザインが変わらなかった最大の理由は、「変えたくても変えられなかった」のだと思います。これは、エリザベス2世がminiに乗り、さらにminiの産みの親であるアレックス・イグニシスにサーの称号を与え、ビートルズやミニミニ大作戦の影響もあり、miniがイギリスのアイコン的な役割になったため簡単にデザインの変更をできない状況になったからだと考えます。



しかし、世界的に排出ガス基準や安全性の見直しが図られ、miniはその基準に合わなかったため2000年に製造は終了しました。その後、ドイツのBMWからデザインを新たにしたMINIが発売されました。miniを過去と捉えるとMINIは現在という位置づけになります。ぼくらは、現在のMINIはファッション性が強いものだと捉えました。



そして、miniやMINIの未来は2009年に発表されたオール電気自動車のMINIがヒントとなると思います。世界的に見てもこれからは増々エコの流れが強まっていきます。だからこそ、エコをおしゃれに楽しもうという流れも確実に大きなものになるはずです。そこに今後のmini-MINIの未来はあるはずです。