2009年6月3日水曜日

情報デザイン技術特論 −デザイン言語のデザインプロセス−

今回の授業は、デザイン言語をユーザーへと伝えるプロセスと課題になっていたTimeles Designの発表でした。

まず、たびたびこの授業で出てくる「デザイン言語」の再確認です。
デザイン言語とは、モノの持っている「コンテクスト」=文脈というブラックボックスを言語化することです。

普段、ぼくたちはペルソナを用いてデザインを行っていますが、ユーザを設定してもそのユーザの背景にある文脈を読みとらないとユーザを満足させることはできません。
そこで、デザイン言語を読み取るプロセスがありますが、ここで注意する点はデザイナーは作り手であると同時にユーザでもあるということです。日頃から、ユーザが何を欲しているかを知るために、自分もユーザの一人であるという意識を持ってモノを見る必要があるということです。



続いて発表の内容です。

今回の課題は、「2000年より以前のもので現在も残るものを探し、過去、現在、未来の観点でデザイン言語の進化を解析する。」です。
ぼくのグループは、60年代に生まれたものということで、イギリスの車である「mini」を選びました。

写真は、miniの年表をまとめたものです。
miniは1959年イギリスで誕生しました。背景として、1956年「スエズ動乱」が起き、コンパクトなファミリーカーが求められました。それに答える形で、世界で初めてエンジンを横向きに配置し、さらにタイヤを車体の4隅に配置することで車内空間を広げた画期的な車となりました。



そこから約40年間miniの権利はローバーなど様々な会社を転々としましたが、miniは世界的に人気があったため、デザインは変わることなく2000年まで製造されました。



その要因として、1960年から1970年前半のカルチャーとの強い結びつきがありました。この間ビートルズのメンバーがminiに乗ってメディアに登場しました。初期のビートルズはもっと激しいロックを歌うグループでしたが、miniに乗り出した頃から僕たちがよく知るスタイルになりました。ここからは、ぼくたちの推測ですが、ビートルズがスタイルを変えたのは当時のマネージャーだったので、イギリスを代表するかわいい車というminiのイメージを利用したイメージ戦略だったのではないかと思います。
また、1969年に公開された「ミニミニ大作戦(The Italian Job)」というイギリスの映画が世界的に大ヒットしたこともminiの人気を支えた要因の一つです。

そして、ぼくらが考えるminiのデザインが変わらなかった最大の理由は、「変えたくても変えられなかった」のだと思います。これは、エリザベス2世がminiに乗り、さらにminiの産みの親であるアレックス・イグニシスにサーの称号を与え、ビートルズやミニミニ大作戦の影響もあり、miniがイギリスのアイコン的な役割になったため簡単にデザインの変更をできない状況になったからだと考えます。



しかし、世界的に排出ガス基準や安全性の見直しが図られ、miniはその基準に合わなかったため2000年に製造は終了しました。その後、ドイツのBMWからデザインを新たにしたMINIが発売されました。miniを過去と捉えるとMINIは現在という位置づけになります。ぼくらは、現在のMINIはファッション性が強いものだと捉えました。



そして、miniやMINIの未来は2009年に発表されたオール電気自動車のMINIがヒントとなると思います。世界的に見てもこれからは増々エコの流れが強まっていきます。だからこそ、エコをおしゃれに楽しもうという流れも確実に大きなものになるはずです。そこに今後のmini-MINIの未来はあるはずです。

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